埼玉、群馬、新潟で観光黄金ルート創設へ
埼玉、群馬、新潟の3県が連携し、国内外からの旅行者に各県を縦断して観光を楽しんでもらう「ゴールデンルート」の創設に乗り出した。3県は6月、香港で行われた同国最大規模の観光展示会「国際旅遊展」に参加。それぞれの県の特色をPRしたり、代表的な観光スポットを紹介するなどしてルート創設の感触を探った。埼玉県観光課は「旅行会社などの意見も参考にし、電車や車で回りやすく、旅行商品として売れるルートにしたい」と意気込んでいる。
3県は、上越新幹線や関越自動車道、国道17号などで結ばれ、交通基盤が整っており、企業間の取引も活発。3県を縦断するゴールデンルートの創設は、定期開催されている3県の知事会議で提案され、担当者レベルで具体化に向けた取り組みが進められている。
外国人旅行者向けの日本の代表的なゴールデンルートといえば、東京-大阪間を指すという。途中で富士山を見て、京都で日本情緒に触れ、箱根の温泉に入るなどのプランが一般的。中には北海道での観光を加えてゴールデンルートとするプランもある。
埼玉、群馬、新潟は交通基盤による縦のラインの強みを生かし、東京-大阪間に対抗できる「3県縦断型」の独自のゴールデンルートを構想し、広く国内外から旅行者を呼び込むことを狙っている。第1弾として、3県の担当者が香港での国際旅遊展に参加し、初めて海外での観光PRを展開。埼玉県は「縦断黄金路」の周遊コースとして、川越市の蔵造りの街並みや長瀞町、大宮盆栽美術館(さいたま市)などを宣伝した。群馬県は草津や水上、伊香保、四万温泉、新潟県は新鮮な魚介類などの食をアピールし、現地の旅行関係者や一般来場者に売り込んだ。
県は国際旅遊展で埼玉のキャッチフレーズを「緊隣東京!有歴史!有動漫!購物天堂!魅力無限!埼玉縣」とした。同課は「東京に近く、歴史のある街並みやアニメの聖地があり、(アウトレットモールなどで)買い物を楽しめる。観光としての魅力がたくさんあることをアピールした」と話す。現地でもアニメ「らき☆すた」や「あの花」のファンが、ポスターの希望者をじゃんけんで決めるほど人気だったという。
3県は9月、関越自動車道のサービスエリアで観光PRを実施。10月に新潟県で開催される「国際ご当地グルメグランプリ」には、埼玉県内の団体も参加するなど、連携を深めていく。同課は「上越新幹線や関越自動車道を意識して、埼玉の魅力を反映できるルートを目指す」と話している。
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