散歩すれば雑学博士に
街中の疑問に即答、アプリ続々
この花の名前は? 空から聞こえてきた鳴き声は何の鳥? 偶然見つけた神社の由来は――。街を歩いているとき、ふと浮かぶ様々な疑問。そんな声に応えてくれる雑学アプリが続々登場している。スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)片手に街を歩けば、世界がますます広がりそうだ。
■現在地の歴史検索
「普段生活している場所でも、新しい発見があって面白い」。東京在住の会社員、石岡みゆきさん(29)は、今いる場所の情報を検索できるアプリ「goocus(グーカス)」を愛用している。
グーカスはオンライン百科事典「ウィキペディア」を活用したアプリ。スマホの全地球測位システム(GPS)機能を使い、現在地の周辺でウィキペディアに情報が載っているスポットを表示する。
例えば「大手町」で使ってみると、周辺の企業やビルの名前のほか「平将門の首塚」などの史跡も出てきた。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)とも連動していて、検索した情報にコメントを付けて友人と共有することもできる。
石岡さんは最近、長野県上田市を訪れたときにグーカスを使ってみた。「上田城が『お城ファンが選ぶ好きな城』の1位だと分かったり、近くに『上田ローマン橋』という変わった名前の橋があることが分かったり。普通に検索していたらたどり着けないことまで出てくる」。友人と話すときの「ネタ」としても重宝している。
「小学生の娘に花の名前を聞かれても答えられるように」。茨城県守谷市在住の取出新吾さん(45)は外出時に「花しらべ」というアプリ(有料)をよく使う。スマホで花の写真を撮ると、その花が何という花なのかを示してくれるアプリだ。
「花しらべ」は現在、1752種の花を登録している。花の写真を撮ってアプリで検索すると、画像認識で似ている花を調べ、候補をいくつか提示。その中から自分でどの花かを判別する仕組みだ。花の大きさや花びらの枚数、撮影した月、生育環境などの細かい条件を入力すれば、候補はより絞り込まれる。「気になる花を見つけたらまず撮影して、出てきた候補を見ながら娘と話をするのが楽しい」と取出さん。親子のコミュニケーションにも良さそうだ。
■鳥の鳴き声・飛行機も
鳥の鳴き声を調べるアプリも登場した。電気通信大学と非営利組織(NPO)法人バードリサーチが共同開発した「さえずりナビ」だ。
登録してある鳥は約220種類。現在地の情報や時期、森林や住宅地などの環境、木やビルなど場所の情報、それに「単音」「複音」など声のタイプを入力していくと、候補となる鳥が表示される。画面に出てきた鳥の声を聞きながら、今聞いた声と照合する仕組みだ。
電気通信大の笠井裕之准教授によると、秋口にも利用者が投稿できる機能が加わる予定。いつどこでどんな鳥を見かけたか、利用者同士で共有できるようになるという。
あの飛行機はどこに向かっているのか――。そんな疑問に答えてくれるのが「フライトレーダー24」。地図上にリアルタイムで飛行情報が表示される。すべての飛行機が出てくるわけではないが、行き先が分かるとなんとなく楽しくなる。
標高が分かるアプリもある。「標高ワカール」では、位置情報を基に標高を算出する。今いる場所はもちろん、気になる場所の標高も表示できる。
自分の生活圏に眠る様々なエピソードや情報を、スマホ片手に掘り起こす。散歩のスタイルが変わりそうだ。
(電子報道部 河尻定)
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