クルーズ旅行、順風満帆
円高・就航増で価格手ごろ 今年2桁増、20~30代も利用
クルーズ船を使った旅行を楽しむ人が増えている。大手旅行会社によると利用者は今年に入り、増加率が前年を2桁上回る。かつては高所得のシニアが利用者の中心だったが、円高で割安感が出たこともあり、最近は20~30代の利用も目立つ。不慣れな海外での交通機関の利用やホテルでの手続きが不要な点も受けているようだ。
「クルーズ旅行に初めて参加したけど、いろいろな寄港地を楽しめた。次も考えたい」。今年2月に夫婦で8泊10日で1人35万円のカリブ海クルーズに参加した東京都の女性(73)は話す。
クルーズ旅行の申し込みはJTBが4~6月で前年同期比5割増、阪急交通社も4月以降は同15%増と人気が高まる。クラブツーリズムは4~9月で同8割増の見通し。
利用者増は円高が大きい。北米や欧州などクルーズ船の就航地まで飛行機で行き、そこからクルーズ船に乗るツアーの場合、安い商品で10日~2週間で20万~30万円台。数年前に比べ5万円程度下がり、北米・欧州への一般的な旅行と差がほとんどなくなった。欧米の客船会社が大型船を就航させ、世界的に隻数が増えていることも一因だ。
利用者は20~30代にも拡大。JTBでは新婚旅行で申し込んだ人が2011年で前年比6割増えてクルーズ利用者の約2割に達した。今年は8月で前年実績に到達。時間やお金をかけられるうえ「船が目的地に寄ってくれ、ホテルで手続きをする手間が省ける点が支持されている」(同社)。
総合情報サイト「オールアバウト」で旅行に詳しいガイドの村田和子さんは「若者もネットなどでの情報収集を通じクルーズ旅行の魅力や意外な値ごろ感を知り、一部の人だけの高価な旅行という従来のイメージが変わってきた」と指摘する。
JTBは13年度、12年度に比べ26コース増の全200コースを用意。阪急交通社はエーゲ海を運航するクルーズ船「クイーン・エリザベス」向けに250人のツアーを催す。近畿日本ツーリストでは夏が中心の欧米に加え、12年度から冬場の需要を狙い、アジアや南太平洋発の商品を扱う。
来春には米客船大手のプリンセス・クルーズが日本発着のクルーズを運航する。外国客船が日本で事業を始めるのは珍しく、関心を集めそうだ。国土交通省によると、国内のクルーズ観光人口はここ2年、18万人台で推移するが、13年度には20万人を突破する見通し。
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